安藤裕子 『TEXAS』 レビュー&セルフライナー

今回は、『TEXAS』。


TEXAS

TEXAS


永らく明かされなかったタイトルの意味?!が、
先日のLIVEで明らかになりましたね(笑)

LIVEでの安藤さんの説明

もっさんが、結婚することになって(一生独身じゃないの?!笑)。
もっさんは、端から見てても言葉足らずなところがあるから、
奥さんになる彼女は、きっと、
そんな言葉足らずなところに泣かされたりするんだろうなぁ。
でも、もっさんはもっさんで、
足りない言葉を何かで埋めようと頑張るんだろうな。
二人が仲良くやっていけるとイイなぁと思って作った曲。
そのとき、もっさんが着ていたTシャツに書いてあったのが、
『TEXAS』。


結局、意味はないってことですかね(笑)
この曲も、イントロがとても印象的な曲です。
インストゥルメントで聴いても、
とても美しい曲でもあります。


Look,you're delusional!
You're insane!
Why would you even want this?
Yes,I loved you...
and then all we did was resent each other,
and try to control each other
and cause each other pain!?

狂気だよ!
完全に異常だよ!
なぜこんなまねを?

確かにはじめは君を愛してた
でも、その後に僕らがやったことといえば、
お互いを憎み合い、
お互いに相手を支配しようとして、
結局お互いを苦しめただけじやないか?!

that's marriage.

それが結婚よ

(デビット・フィンチャー監督 映画『ゴーン・ガール』より)



島に渡ろうとする全員に質問するのがわたしの役目です。
強い絆で結ばれていて、一緒に渡りたいという夫婦には、
一番大切に思っている記憶を話してくれるようお願いします。
もちろん別々に。
まず一人に聞き、つぎにもう一人に聞きます。
この方法で、二人を結ぶ絆がどんなものかわかります。

一番大切に思っている記憶を話すとき、
人は本心を隠すことなど不可能です。
愛によって結ばれているという二人の中に、
わたしたち船頭は愛ではなく恨みや怒り、
ときには憎しみすら見ることがあります。
あるいは、大いなる不毛とかね。
ときには、孤独への恐怖だけがあって、
それ以外には何もなかったりします。
年月を超える不変の愛など、
めったに見られるものではありません。
それをみたときは、
もう喜んでその二人を渡して差し上げます。

カズオ・イシグロ忘れられた巨人』)

忘れられた巨人

忘れられた巨人


〈セルフライナー(word by 安藤裕子)〉


Q どんな曲なんですか?タイトルの由来は?

A 朗らかな曲ですね。タイトルに関しては内緒で(笑)。
歌詞を見ても、多分分からないと思う。
たまには、ちょっとミステリアスにね。


「TEXAS」も前はほがらかな曲だなぁと思っていたのに、
マスタリングの後、曲を並べてあらためて聴いてたら、
思わず涙が出てきた。

今作に限って言えば、
見せたい絵面を考えて制作したとこがあって。
「のうぜんかつら」で私のことを知ってくれた人は、
ピアノの弾き語りの人ってイメージを持ってるかもしれない。
でも、私たちがやってきた音楽はそれだけではないので、
自分たちの音楽のスタンダードな部分を示す
作品にしたいなって思ったんです。
そのためには、シングルだけれども、
この3曲が必要だったんですよね。

「サリー」みたいな曲にしようっていうのが
合い言葉だったんですけど、
せつなかわいい感じに仕上がってよかったなって。
私個人の内省的な部分は「ヘイディーズ」の中にあって、
みんなで音楽を遊んでいるのが歌謡曲をカバーした
ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」であって。
3曲聴いてもらって初めて
安藤裕子が分かってもらえると思う。
だから、私としては、
シングルというよりも、
ちっちゃいアルバムができたっておもっていますね。


初めて全曲をとおして聴いた時に、
この曲で思わずポロポロと涙が出てきた。
私にとってはアルバムの中で
いちばんせつなくて泣けちゃう曲ですね。