『四十九日のレシピ』&『SPEC』


タナダユキ監督、永作博美さん主演で、
安藤さんの『アロハオエ』が主題歌の
四十九日のレシピ』を観に行きました。


昔、時間が有り余っていた頃は、
年間、映画館で50本以上、ビデオと合わせて100本以上の
映画を観ていた時期もありましたが、
最近は月に数本ビデオを見るのがやっとで、
映画館に行ったのは、数年ぶりです。

ということで、せっかくなので、
堤幸彦監督の『SPEC 結』も観てきました。

両作品は一見正反対というか、
『SPEC』が動なら、『四十九日のレシピ』は静という感じですが、
今の日本映画界を代表する両監督(と個人的には思っています。)の
共通点がありました。

それは、音(音楽)と、食べ物の使い方が
抜群に素晴らしいということです。

これは、もしかしたら、映画だけではなくて、
優れた日本の文化作品に共通するのかなとも思います。
例えば村上春樹さんの小説でも音楽と食べ物が非常に効果的に使われています。

そんなわけで、今日のご飯は、コロッケパンか、餃子か。。。

『SPEC』は、
もはや堤監督にしかだせないあの独特の雰囲気とテンポが今作も健在で、
あっという間に終わった感じでした。
ただ、あの終わり方が、映画というよりは
2時間TVドラマを観ているような気分になってしまい
大人の事情があるのかも知れませんが、
このテンポなら、例え3時間になってもあまり長くは感じなそうなので
後編と合わせて一回で上映して欲しかったです。

四十九日のレシピ』は、
タナダユキ監督、永作さん主演、安藤さん主題歌と、
私が好きなアーティストが勢ぞろいしていて、
観る前の期待値も相当高かったので、
正直期待外れになるかもなぁとさえ思っていましたが、
全く期待を裏切らないどころか、期待以上の素晴らしさでした。

それどころか、自分の年齢や今置かれている立場からも、
すごく映画に入り込んでしまい、なかなか大変でした。

この映画、タイトルやキャッチコピーのせいか、
異様に観客の年齢層が高かったですが(見た感じover60)、
個人的にはこの映画を観て一番何かを感じる世代は、
30〜40代だと思います。

役者陣も素晴らしく、父親役の石橋蓮司さん、
イモ役の二階堂ふみさんを始め、皆さん素晴らしかったです。
ただ、正直ちょっと???と思ったのが、
岡田さん演じる日系ブラジル人役。
原作を読んでいないのでよく分かりませんが、この役いるかなぁ。
少なくとも、片言である意味がよく分かりませんでした。

しかし、やはり何より、永作さんです。
パンフにこんなエピソードが紹介されていました。


タナダユキ監督の話から】
百合子という人物像を永作さんが一番理解してくれていて、
大宴会でお料理を運んでくるシーンでは、あんなに早足なのに、
絶対に畳のヘリを踏まないんです。初号試写が終わった後に
そのことを話したら、『気づいてくれたんですね』とおっしゃって・・


うーん、すごすぎる。
もちろん観ていた自分は気付きませんでした。(汗
でもこういうところから、役に説得力が増すんでしょうね。
それにしても、気付いたタナダユキ監督もさすがだと思います。


安藤さんの『アロハオエ』は、劇中では使われていなくて、
エンドロールで流れます。

映画館の大音量で聴く『アロハオエ』は、
映画の余韻とあいまって、素晴らしかったです。
席を立つ人もほとんどいませんでした。

ぜひ皆さんも観に、聴きに行ってみてください。