Self Portrait

思ったよりも大きかったです^ ^



美術学校を目指して準備していたころは、
それこそ何百枚も自画像を描いた。
母はいつも、
上達への唯一の道は自画像だと言っていた。
自画像だけが“距離の取り方”を教えてくれるからだと。

いつも近すぎるか、あるいは遠すぎる。
あるときは深入りしすぎてまわりが見えなくなり、
そこで悪戦苦闘するうちに我を失う。
またあるときは慎重に構えて身を引きすぎ、
結局何もわからずに終わってしまう。
「要するに肝心なことが見えていないんだ」

ピエール・ルメトール(橘明美訳)『その女アレックス』


その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)