内と外と


子どもが、日々、
大きく、なって行く。

自分の、内から出でたものが、
大きく、なって、行くのは、
不思議な感じだ。

世界に、隙間なんてなくて、
何もないように見えるところにも、
何かが(空気とかが)、
詰まっているのだとしたら、
この子がが大きくなったぶん、
世界の、何処か一部が、
小さくなったのだろうか、などと、
考えていると、
自分の内側と、外側の、
境界も曖昧になって、行く。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


まんきい

『若葉』は、さるとは言わないで
かたことで、まんきいという。
こまったことに、それは、『若葉』のパパが
学校で、英語を教えている習慣からだ。

『若葉』よ。君が成人の娘となる頃の
日本はどうなっているのだろう。
まだその頃も、まんきいのように
西洋の身ぶり手真似をしていようか。

それよりもっと肝心なことは、
『若葉』がしあわせでいるだろうか。
パパにも、ママにも明かせないで
心配なことが、あるのではないか。

『若葉』が泣く声をききつけても
もうそのときはこの老人があやしてやることができない。
しゃがんで、尻を掻いたり、頭に手をのせて
まんきい歩きをみせてやることもできない。

金子光晴 『若葉のうた』より)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お爺さんはまたにっこりと微笑んだ。
そして、立ち上がり、地面に大きな円を一つ書いた。

「円の中心から、円をまたがないで、外に出られるかな?」

「そんなことできないわ」

少女が自信を持って言う。

「私はできる」

お爺さんがすぐに言った。

「この円を大きくするんだよ。
どんどん、どんどん、大きくしてごらん。
地球はまるい。円はどうなるね?」

「中よりも、外の方が小さくなるんだ。
あっ、そうか。それでそこが外ってことに?」

でも、何だかまだ少しおかしいと思う。

「ねえ、中と外はどうやって決めるの?」

お爺さんは片目を瞑る。

「君が決めるんだ」

(森博嗣笑わない数学者』より)


詩集 若葉のうた

詩集 若葉のうた

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)



アコースティックツアーのセットリストが公表されていますね。

今回どこかで『yuyake』を演るような気がしていましたが、
長崎公園で演ったんですね。
とても大好きな曲です。
いつかライブで聴いてみたいなぁ。


安藤裕子 アコースティックツアー2013 セットリスト

01. 唄い前夜
02. お誕生日の夜に
03. HAPPY
04. み空
05. 雨月
06. Dreams in the dark
07. Little Babe
08. summer

09. リクエスト曲
  渋谷: 健忘症
  仙台: あなたと私にできる事
  札幌: お祭り〜フェンスと唄おう〜
  浜松: ヘイディーズ
  大阪: 人生お見舞い
  長崎: yuyake

10. 未発表新曲
11. さよならと君、ハローと僕
12. The Still Steel Down
13. 鬼

ec1 愛の季節(未発表新曲)
ec2 問うてる


2013.5.3(金祝) 東京 渋谷公会堂
2013.5.6(月祝) 仙台 宮城野区文化センター パトナホール
2013.5.11(土)  札幌 道新ホール
2013.5.18(土)  浜松市福祉交流センター
2013.5.24(金)  大阪市中央公会堂
2013.6.8(土)  長崎 活水女子大学 東山手キャンパス 大チャペル