安藤裕子 『悲しみにこんにちは』 レビュー&セルフライナー

今回は、『Middle Tempo Magic』から、
『悲しみにこんにちは』。

Middle Tempo Magic(CCCD)

Middle Tempo Magic(CCCD)


「悲しみ」と「こんにちは」という
一般的に対照的なイメージの
あまり一緒になることのなさそうな二つの言葉を
つなげたタイトルに象徴されるかのように、
決して歌詞も曲調も暗いわけではないのに、
(むしろ明るかったりする)、
どこか物悲しさを漂わせている曲。

まあ、そういう曲は、安藤さんの曲の中にはたくさんあるので、
そういう意味では、この曲もスタンダードな安藤さんの曲と言えるのかも。

そもそも『Middle Tempo Magic』というアルバム自体が
そんなトーンを強く感じさせる気がする。

これは安藤さんやもっさんのキャラクターによるところも大きいのだろうし、
安藤さんの楽曲は、ピアノの存在感が大きいのもその一因かしら。
ピアノ曲というのは、宿命的に明るい曲にはなり切れない気がする。)

ただ、初期の曲ならではの単純さというか、明快さというか、
勢いみたいなものが、曲に明るさや爽やかさを加えている印象です。



〈セルフライナー(word by 安藤裕子)〉

ほんと恋愛の話書くの苦手なんです。
恋愛の体験が少ないというか、
人を好きになることが少なくて。
だから恋愛の感覚が幼いんです。
これも一見幸せの絶頂みたいだけど、
本当は幸せを思い出しているシチュエーションですよね。
今幸せでも、そのぶん、
この人がいなくなったらどうしようって
不安感を書きたくて。
幸せな時間があったからこそ
出会ってしまった悲しみ、
それに「ハロー、こんにちは」って。
これは女の子に聴いて欲しい、
女同士で共感した曲だなって。

絶対壊れるじゃないですか、形あるものは(笑)。
だけど、そうじゃなきゃいいなっていつも思うから、
そんなことを書いてみました。