安藤裕子 『海原の月』 レビュー&セルフライナー


今回は『海原の月』。

海原の月(初回限定盤)(DVD付)

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堤幸彦監督の『自虐の詩』のエンディングテーマ曲である。

安藤さんと堤監督の交友は深く、
監督の『2LDK』に『隣人に光が差すとき』が
使われているし、
『海原の月』のPVは監督が撮っている。

安藤さんはデザイナーのナカノヒロミチ氏とも
高校生の頃から⁉懇意らしく
不思議な人脈を持っている。

そんな本作は、PVの雰囲気とおり幻想的かつ
映画で利用されているラストシーンの雰囲気とおり
やさしさに満ちた安藤さんらしい曲と言えるのではないか。

ちなみに『自虐の詩』もとても良い映画である。
併せて観て欲しい。




〈セルフライナー(word by 安藤裕子)〉


(監督の堤幸彦から)
イントロで声を楽器のように使って輪唱するとか、
下町のホッコリした感じが欲しいとか、
結構具体的な指示をしてくださったんですよ。
イメージは水の中を漂うクラゲ、
と教えていただいたり、
エンディング・シーンもみせてくださって。
“ここにどんな曲が乗るかで映画の答えがきまるから、
安藤さんなりの答えを見つけてください“ と。
別にハッピー・エンドにしたり、
特別、映画とリンクさせようと
身構えて作ったわけじゃないんです。
クラゲの絵を描いて、
映画のことをいつも頭の片隅に教えていてたら
ポッと出てきた曲だし。
私自身、生まれてきた詞に対して
最初は“お別れの歌だ“と感じたのに、
試写で観たときはハッピー・エンドだと思った。
結局、答えはわからないけど、
漠然と何かを感じてくれればそれで十分なんです。