安藤裕子 『サリー』 レビュー&セルフライナー


不定期に安藤さんの曲をレビュー。

第一弾は、『サリー』。
2003年公表のファーストミニアルバムのリードトラック。


サリー       (CCCD)

サリー (CCCD)

「なぁいんてぃーん せぇぶんせぶん」(安藤さんの生誕年)
という特徴的なイントロで始まる
安藤さんの楽曲には珍しい、ライトな感じのポップス。
手描きイラストで彩られたPVがキュート。

ちなみに今日(5/9)は安藤さんの35歳の誕生日。
おめでとうございます!




〈セルフライナー(word by 安藤裕子)〉

03年7月に出したデビューミニアルバム「サリー」は結構、
混沌としていて、しれぞれの持ち分が、
曲ごとにくっきり分かれているんですけど、
リード曲の「サリー」は、初めて3人が融合してできた曲なんですね。
ほんとに3人の真ん中なの。
しかも、私だけでは、
こんなにほんわりしたポップスってつくれなかった。
どうも暗っぽかったり、
明るくても、もっと強すぎる明るさがあった。
だから、自分の中では意外な作品だったんですけど、
これかなって思ったし、あそこで「サリー」が作れなかったら、
もっと混沌とした道のりになってたんじゃないかなと思います。


(安藤)「サリー」は、
いろんな意味で予定調和じゃなく生まれた感じがあったんですね。
最初は、アンディから「カーペンターズみたいな曲作ってみなよ!」
って言われてて(笑)。
(アンディ)そんな風に言ってないって(怒)。
「Close to you」みたいなコード進行で」って言ったんだよ。
なんか俺凄いキャラクターになるじゃん!
(安藤)(笑)。で、もっさんがコードを弾いたりして、
そこになんか凄く惹き付けられる部分があって、
「あー、ちょっとそこ何回か弾いてて」って言って、
サビの英語詞の部分が出来たんですね。
それでおうちに帰った時にふと思い立って、
もともとあった「シャワールーム」って曲をくっつけて、
それがそのまんまAメロになったんですね。
くっつけちゃえみたいな。
わたしにはそこでようやく何かが見えたっていうか、
寡黙なもっさんの本性が見えた気がして。
「私もこんなポップな曲作れるんだ!」って喜びもあったし。
なんか凄く良い出会いだったなと、
いろんな新しいモノが生まれる感じがあったんです。
この流れを汲んで「Happy Go Lucky」が出来たんです。
なので「サリー」はホントに良い化学変化だったなと思いますね。
これがその後の活動において、
最初の勢いを付けてくれたってのが凄くあると思います。

いつも暗い曲を書いてあなたを泣かせますよ
という人もいるだろうけど、
私は暗さに溺れるタイプではないから。
もちろん悲しみは歌の根底にあるし、
やっていきたいことではあるけど、
うわーっと怒鳴りたいだけの気分もあるし、
普通に爽やかに歌いたいときもあるし・・・
いろいろあるんですよ。
中で<サリー>はアレンジャーと
一緒に会議室で遊びながら作った曲。
自分一人では絶対作れなかったと思うし、
一番化学反応が出た、
いい開き方ができた曲だと思う。

編曲をやってもらっている山本隆二さんと、
「サリー」は最初カーペンターズみたいな曲を
作ろうって彼と話して原型が出来たんです。
結局、ぜんぜんカーペンターズじゃなくなってますけど(笑)。
その後、今度は別の曲を即興でメロディつけて
具体化したんです。
で、さっきのとくっつけちゃおう!
って出来ました。

Q 「サリー」ってタイトルに惹かれるんですけど、
特別な思い入れとか?
A いや、そういうわけじゃないんですけど(笑)。
ちょうどレコーディング中にみんなで
サリーちゃんのパパの話をしていて。
「この曲はサリーっぽい!サリーっぽい!」
言って(笑)。
はじめ仮タイトルのつもりだったんですけど、
あまりにもサリー、サリー呼びすぎちゃって
今さら他のが浮かばなかったっていう(笑)。
ちょうど自分でもなく失恋した女の子の話だったので
主人公を立てるという意味では良いのではと・・・、
これは今考えたんですけどね(笑)。

Q そういえば「サリー」のタイトルって
「サリーちゃん」のパパから決めたってホントですか?

A 本当です(笑)。
(アンディ)
知り合いのドラマーの娘さんの名前がサリーっていうんです。
その理由が「サリーちゃんのパパって呼ばれたかったから」って(笑)。
当時、タイトルが全然出てこなくて、そんなよた話のなかで、
「この曲サリーっぽくない?」の一言で決まっちゃったんですよ。