安藤裕子『Aloha 'Oe アロハオエ』レビュー&セルフライナー



今回は、『Aloha 'Oe アロハオエ』。

グッド・バイ

グッド・バイ


タナダユキ監督の『四十九日のレシピ』のテーマ曲でもあります。


最初にライブで聴いたときは、
民謡みたいな歌だな、と思いました。

実際、原曲は、ある意味、ハワイの民謡のようなものらしいですが、
その時は全然知りませんでした。

さて、この歌、私のパソコンの音楽再生ソフトの記録によると、
今日までの再生回数が1736回です。

収録アルバム『グッド・バイ』の発売が去年の10月ですから
毎日6回以上聴いた計算になります。

ちなみに、2番目に多い『グッド・バイ』が12回ですから、
この1736回というのは異常な数です。

そもそも私はパソコンで音楽をほとんど聴かないのです。

。。。。。。種明かしをすると、
この『Aloha 'Oe アロハオエ』という曲は、
うちのお子の定番Lullabyです。

まだ自力で歩けもせず、ごろごろしてたころから、
この曲をかけるところっと寝ます。

安藤さんの曲は基本どれも寝ますが(笑)、
この曲が一番威力があります。

ところが、先日、3時くらいに激しい夜泣きをしたので、
録画してあった『Aloha 'Oe アロハオエ』のPVを見せたところ、
朝の7時くらいまで、延々とリピート上映を求められました。

こちらは眠くて、見ているうちにさすがに気を失うのですが、
彼は、曲が終わると、リモコン片手に私を起こして、
巻き戻せ、と(身振りで)要求してくるのです。

そして、たまに、テレビの中の安藤さんを指さして、
何か言っています。

あと何年かしたら、ライブに連れて行ってあげるので、
とりあえず夜は寝て欲しいものです。


K.


<セルフライナー(words by 安藤裕子)>

映画のイメージに沿って、歌詞の答えを出そうと思いました。
うちの父がハワイアンバンドをやっていたので、
古楽譜を借りたんですけど、
和訳がわりとバラバラだったんですよね。
だから、自分も自由に書いてみようと。
ただ、”アロハ・オエ”というのは
たくさんの意味が詰まったとても大切な言葉なので、
そこは大切にしました。

これはハワイっぽさは完全に消えてますね。
日本語の歌詞をつけたせいか、
土着感がきれいに抜けて、
アレンジもハワイのにおいがあまりしない。
(安藤D)

先に映画を見せて頂いて、映画に寄り添って歌詞を書きました。
この曲自体は全然知らなかったんですよ。
でも父がハワイアン・バンドをやっていたので、
聞いてみたら、”家に楽譜あるぞ”とかいって。
あの世代はハワイアンがはやっていたんですね(笑)。
いろいろ楽譜とか訳詞とかみたら、歌詞がバラバラなんですよ。
アロハオエって訳しようがない言葉なんですよね。
愛してるとか、さようならとか、色々な意味があって。
だからもっと自由に捉えていいんだなっていう感じがあったから、
原曲が持っているハワイの海や空、
自然をモチーフに書かれているところだけはイメージして、
そういうものが感じられる言葉遣いは探しました。

映画では別れの悲しさの後に、
皆が前に進んでいくという閉じ方なんですね。
だか曲も、別れの寂しさはあるんだけど、
ちゃんと明日が見えるようにはしたいなというのはありました。

タナダユキ監督から熱烈なオファーを頂いて、
ハワイの鎮魂歌 "アロハオエ"に 裕子が日本語詞を書き下ろしました。
これも別れの歌。これは送り出す別れの歌。美しい。
出来上がったとき、監督をはじめとする映画スタッフの方々から
涙が止まらなかったと次々とメールを頂きました。

伝統ある曲を歌わせて頂くわけですから、緊張しました。
それでも誰しもが持つ思いにつながる曲になってくれたと思います。

永作さん演じる主人公が、父親の再婚相手である母の死を境に、
足を一歩踏み出すというところが見所と言えるのでしょうか?
最後に彼女の横顔が映されるのですが、
その表情を観て私は今回のアロハオエの歌詞を書けたんだと思います。

これは映画『四十九日のレシピ』の監督であるタナダユキさんから、
「この映画のエンディングに歌ってほしい」と
オファーをいただき歌わせていただきました。
映画の内容は、亡くなったお母さんを四十九日に送るというお話なんですが、
私は誰かが亡くなった時、そのことを悲しむだけでなく、
その人の人生を振り返ることで自分も新しく人生を歩んでいきたいなと思います。
同時期に同じ気持ちになっていた部分もあり、
そういった歌詞の内容にしました。
伝統ある曲を歌わせていただくという事もあり、緊張しました。