安藤裕子『眠りの家』レビュー&セルフライナー
いつも買っている自販機がなぜかこのタイミングで値上げ。
理由は消費税に対応するためらしいけれど、
値上げ幅(90円→100円)を考えると、
明らかに便乗値上げではないのかしら。
高田渡の歌に、値上げを揶揄する、
その名も「値上げ」(笑)という歌がありますが、
どうせ値上げするなら消費税を言い訳にしないで
正々堂々としてもらいたいものです。
さて、今回は「眠りの家」。
- アーティスト: 安藤裕子,山本隆二
- 出版社/メーカー: カッティング・エッジ
- 発売日: 2004/09/08
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 97回
- この商品を含むブログ (216件) を見る
先日のライブで、自分の娘のための曲が1曲ぐらいあった方が良いかな、
と思って「お誕生日の夜に」を作ったというお話をされていましたが、
当時のインタビューを見ると、この「眠りの家」も、
自分の子供にあてた曲のようです。
もちろんその当時安藤さんにお子さんはいませんから、
飽くまで「未来のまだ見ぬこども」に向けた歌、という意味ですが。
人間(関係)というものは、おもしろいというか、難しいもので、
通勤電車でたまたま乗り合わせた人のように、
距離が遠すぎることによる無関心・無遠慮から摩擦を生み、
一方で、家族のように近すぎることによる甘え・無遠慮からも摩擦を生み、
結局、まあまあうまくいくことが多いのは、
これから人間関係を構築していこうという
知り合ったばかりの初期のころだけだったりします。
でも、その場合でさえも激しい摩擦を生む関係というのが一つあって、
それが子供との関係だったりします。
子供というのは、ある意味遠慮というものが一切ありませんから、
摩擦が生まれっぱなしです。
それも、唯一順調な人間関係が期待できる、
知り合って(生まれて)初期のころから、
摩擦が生じまくる上に、簡単に別れるというわけにもいきませんから、
親(特に母親)が感じるストレスたるや。。。
親なら母性(父性)本能でなんでも許せる、
という単純な関係ではないんだということを思い知らされたりします。
結局、親子関係といえども、自然にうまくいくなんてことはなくて、
むしろ親子関係の方が、うまくいかせるためには、
相当の努力が必要なんだなぁ、と思う今日この頃です。
K.
<セルフライナー(words by 安藤裕子)>
Q 「眠りの家」を将来の自分の子供に向けて作った
ということも大きな変化ですよね。
A ・・・私は絶対的なものがほしいっていつもどこかで思っていて。
まあそんなものはないんですけど、欲しいとは思っていて。
例えば好きな人ができたとしても
気持ちは変わっていったりするじゃないですか。
結婚したって離婚するじゃないですか。
でも血の繋がりだけは絶対で、絶対に私の子供だったりするわけだから、
その子供が嫌がったって無理矢理抱きしめちゃうっていうか。
そんなことを一人で考えて、まあネクラなんですけど(笑)。
それで子供が欲しいなって。
これは、種もないけど、私の子供に向けて作った曲で。
一人で家にいて寂しいなって思っちゃったんですね。
大人になると、学校も卒業して
どこにも属してない自分がいるんですよね。
誰かと繋がってたくても絶対なものってないじゃないですか。
好きな人とも終わりがくる。
そう思ったら、子供は絶対私のものだな、
子供が欲しいって(笑)。
どんなに相手が嫌ってもその繋がりは消えないから。
私も生まれ落ちて、何かにつかまりたくてワーってもがいて、
いつか誰かと手を繋ぐときがあるかもしれない。
そしたら子供ができて家族を作ることができて、
自分に絶対なものができる。
それは幸せだなって。
で、今度はその子供は何かを探してもがく。
今は自分が主役の人生を送ってるけど、
今度は彼女たちが主役の時代がくる。
私はそれを見届けることができないけど、
その繋がってく感じが、
たしかなものって感じがしたんです。
あなたたちもきっと泣くと思うけど、
いつか繋がれるよって。