安藤裕子『水色の調べ』レビュー&セルフライナー

母を訪ねて三千里、ならぬ三百里
我が子を連れて一路、西へ。
飛ぶのは嫌いなので、ひたすら新幹線(⇔旧幹線?)。

新幹線の多目的室なる個室に初めて入る。
でも乗務員のプレッシャーがすごくて
ずっとはいられないのです。

日本という国は、
子供にとことん厳しい国だ、なと。

(鎌倉までには戻りたいが、果たして。。。)

T.


経済も発展させたい。
でも昔ながらの家族主義も復活させたい。
親父もちょっとえばらせてやりたい、
とか思ってるんでしょう?
でもね、それは全部ほしいって駄々こねてる
子供のようなもんですよ。
どんな境遇に生まれた子供であろうと、
生まれてきてありがとう、
という価値観をまず定着させてほしい。
(かっぱ「二度寝で番茶」)


二度寝で番茶 (双葉文庫)

二度寝で番茶 (双葉文庫)



さて、今回は「水色の調べ」。


水色の調べ (CCCD)

水色の調べ (CCCD)



今や安藤さんの作品には欠かせない
宮川弾さんによる楽曲。

宮川さんらしいキュートなポップスです。

PVも、とってもキュートでアバンギャルド??(笑)です。
(ある意味今の安藤さんからは考えられないくらい)

この頃のPVって、作品ごとにとても遊び心があっておもしろいです。
最近のシンプルなのも良いですが、
たまにはまたこういうのもやってほしいなぁ。
(最近はPVもいろいろ大変みたいですけど)

岡村ちゃんって、すごいよなぁ。


<セルフライナー(words by 安藤裕子)>

昔の80年代エセアイドルみたいなんをやりたかったんです。
細野さんが”ハイスクールララバイ”作っちゃったみたいな、
あと昔の岡村靖幸さんみたいな、
なんかちょっとエセピカピカみたいなの。
「ちょっと私アホっぽいことやりたいわけね」って、
アレンジャーに一生懸命説明して。
そういう感じでやってみたいって言ったら、
アレンジャーに「岡村靖幸はアホじゃないよ!」とか怒られて、
「いや、アホって言ってるわけじゃなくて・・・」って(笑)。
私もともと自分からCD買ったり、
音楽を聴く人間じゃないんですけど、
岡村靖幸さんは子供心に耳にも目にも残ってて。

他の人の曲じゃ、自分を出せないと思ってたんで嫌だったんです。
なんか、オレは男に興味ないんだよって人が、
女装したらハマっちゃったみたいな感じ?(笑)

「and do,record」は、
ようやく作品作りを楽しめるようになれた一枚でした。
1枚目は悩みを重くとらえて作ってたけど、
2枚目は、まずやってみよう、
やってみないとわかんないって思えたんで、
それでやったら楽しくて。
他の人の曲を歌っても、自分のものにできるなって。
今回の「水色の調べ」は、その応用編。
人の曲を歌ってどこまで幅を広げられるかやってみようって一枚ですね。

ハッピーな明るい曲をやりたいと思ってて。
そこを極めたいなと(笑)。

ずば抜けたポップスみたいのをやりたくて。
それをふまえた上で、
楽しみながらやりたいことができましたね。
私、ネクラなんで(笑)、
逆にそっちに引っ張られたくないんです。
ご時世もよくないし、
人と人との間に流れている空気もよくないし。
それをスカッと出来ないかなって思ってて。
明るい方へ、自分も聴き手として
導いてもらえるような曲をやりたかったんです。
めざせアイドル・チューン(笑)。
そしたら、ディレクターが
やたらと振り付きで歌ってるんですよ(笑)

(中学・高校の憧れのバンドのボーカリストに捧げた
内容が歌詞に描かれていることについて)
相手のほうは知らずに、
勝手に好きって言ってる一方的な曲ですね(笑)。
その人を思い浮かべて、
漠然としたイメージで書いたんです。
水色、青っぽいイメージがあったんで。
まあ一方的な感情も楽しめればいいけど、
それが鬱々と内にこもって、
グサっとなっちゃ嫌じゃないですか(笑)。
若者には、同じパワーでもそれをハッピーに持っていって、
毎日を楽しんでもらいたいなって思ったんで、
ちょっとしたストーカーソングを書いたんです(笑)。
間違えた考えを起こさないようにって(笑)。
あと、誰でも恋の始めはビビビっていうのがあるじゃないですか。
あっ、オレに気があるのかとか、
そういう感覚を楽しめればいいなと。

Q水色は好きな色?
Aどうだろう、意識はしていないけど、
結構好きなのかもしれないな。
漠然と曲のカラーがあったんですけど・・・
(ふとスカートを見て)あ、水色だ(笑)

(PVについて)
「水色の調べ」は最初、
絵コンテがガーリーすぎて。
当時の自分的には、
そこにイビツさを出したくなっちゃって。
それで、サーカス団みたいな雰囲気にしたんです。
急だったので、マネージャーに
オカマチャン役をやってもらったり(笑)。
あと、役に入り込むために、
作り込んだメイクをしてやっとなりきれたっていうか。


(ジャケットについて)
“調べ”っぽいから
鳥を描こうって思って、
そしたらインコが浮かんでって、
連想ゲームみたいな感じで描いていったんです(笑)



「水色の調べ」発表当時の安藤さん。