安藤裕子『永すぎた日向で』レビュー&セルフライナー
今回は、前作『勘違い』から、『永すぎた日向で』。
- アーティスト: 安藤裕子
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この企画は何となく古い作品優先でやろうと思っていて、
『JAPANESE POP』以降のものはあまり取り上げていないのですが、
今回この曲を取り上げたのは、最近あるニュースに触れたからです。
http://www.mtvjapan.com/news/music/23245
http://www.asahi.com/articles/TKY201310280001.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131106-00000017-eiga-movi
ルーリードの死去です。
自分がルーリードを始めて聴いたのは確か高校生くらいの頃で、
U2のライブビデオで、『Satellite Of Love』を衛星中継で別々の場所にいる
ルーリードとボノがデュエットしているのを聴いたときでした。
若かりし自分には、あの歌っているんだか朗読しているんだか
よく分からない歌い方は正直ピンとこなかったけど、
何故か耳に残って離れない不思議な曲という感じでした。
けれど、ルーリードとか、パティスミスとか、トムウェイツとか、
ジョニーキャッシュとかを今聴くと、昔の洋楽って、
本当にオリジナルの音楽っていう感じで
いいなぁと思います。
安藤さんの『永すぎた日向で』は、
ルーリードの『perfect day』がモチーフになっているそうです。
『perfect day』は、映画『トレインスポッティング』にも使用されていた名曲です。
『トレインスポッティング』自体も名作だし、
この映画で使われている音楽はどれも素晴らしいです。
- アーティスト: LOU REED
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ルーリードさんの御冥福をお祈りします。
〈セルフライナー(word by 安藤裕子)〉
このタイトルは当時私が執筆していた小説の冒頭に出てくる言葉。
この言葉がずっと頭に残っていて、翌年、曲が出てきた時名前とした。
2010年、私は少し休養を求めて夏も冬も休みをもらって異国で過ごした。
それでもやっぱり心の中は何にも変わらなかった。
たぶんこの曲は終焉を歌っていて、とっても重い答えなんだと思う。
「勘違い」が出来るまではこの「永すぎた日向で」がアルバムタイトルだと思っていた。
「勘違い」が出来て、子供が無事生まれ、
私は見えなくなっていた未来を再び貰えたんだと感じた。
だからアルバムの真ん中にそっと置くことにしたのだ。
そう思う。
アレンジに於いては結構分かりやすいモチーフがあって、
ルーリードの「perfect day」。
昔、この曲を初めて聴いた時、
こんな風景を眺めて死ねるなら怖くないかも知れないって思った。
私は死ぬのがずっと、とても怖くて仕方がなかったんだけれど、
こんな風景の主人公でいられるなら
死ぬ瞬間を穏やかに迎えられるんじゃないかって思ったんです。
「永すぎた日向で」は終焉の曲だから、
そんな美しい風景を見つけたかった。