安藤裕子が好きな映画(3)ライフ・オブ・パイ


久々の今回は、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』。


トラというのは、人やペットの名前ではなく、
『虎』、タイガーです。

乗っていた船が遭難して、
小さなボートに一人の青年とトラが取り残されるという
ものすごい状況を描いた映画です。

なぜ船に虎が乗っていたかというと、
少年の父親はインドの動物園のオーナーで、
カナダに移住するため動物ごと船に乗り込んでいた
というなかなかな設定です(笑)

さて、安藤さんもおっしゃってますが、
この映画、映画館で観ないとその魅力を
十分に感じることは難しいと思います。

ストーリー的にはそれほど劇的なドラマがあるわけではなく
どちらかというと、映像の美しさと臨場感が
この作品の醍醐味になっているからです。

とはいえ、すでに劇場公開は終わっているので、
今から観るとすると、こんな感じでしょうか。

http://www.sony.jp/hmd/

監督は『ラスト、コーション』で、
エロティックを美しい映像で描き切ったアン・リー
(ラストは、最後の意味のlastではなく、
キリスト教の大罪の一つ、肉欲の意味のlust)
人間の生存本能のようなものを
映像化するのが上手な監督さんですね。



〈安藤さんのお勧めの言葉(word by 安藤裕子)〉

とにかく、映像がとてもきれいで
映画の中の世界に
完全に引き込まれてしまいました。
今までも3Dの映画は観てきましたが、
ここまで映像の奥行きや広がりを
感じた作品はありません。
オープニングの動物がたくさん
出てくるところはピースフルで、
その中にとりこまれていくような
感じがしました。
場面変わって飛び出してきた
トラの映像には
驚いて「きゃ!」と
大声をあげてしまいましたし。

それにしてもトラと二人きりで227日間・・
愛玩動物なら心の支えにもなるだろうけど、
私だったらトラと対峙した瞬間に
「もういいや、降参」て
食べられちゃうと思います。(笑)

主人公のパイの冒険の日々は
とても魅力的で、
ぐいぐいと映画の中に
引き込まれました。
本当に飽きる瞬間がなくて、
集中力が途切れずに
ラストまで突っ走った感じです。
特に映画館という空間で
体験することは大きいですね。
3D映画って、どこか小窓から
世界をのぞいているような
感覚がありません?
でも、パイが夜の海をさまよい、
満天の星に囲まれるシーンなどは
映像自体が宇宙のようで、
まるで私も映像に同化してしまうような
気分を味わいました。
自然てこんなにも美しく
恐ろしいものなんだなって。

それから、この映画は
映像の世界を志している人にとっても、
目を見張るようなアプローチで、
始めから最後まで魅了されると思います。

どうしたらこんな映画が
撮れるんだろうって思いますよね。
たた、圧倒的な映像と
ストーリーに力があるので、
どんな人でも楽しめる
娯楽大作なんじゃないかなって思います。
映画館に入って3Dの眼鏡をかけた瞬間に
ファンタジックな冒険旅行に旅立てるような。