安藤裕子 『shabon songs』(アルバム) レビュー&セルフライナー

公式HPの企画においつくため、いつになくペースを上げて、
今回は「shabon songs」です。


shabon songs

shabon songs


前作の「Merry Andrew」が飛躍のアルバム、
次作の「chronicle.」が安藤裕子第1期の集大成的なアルバムだとすると、
この「shabon songs」は実験的というか自由な感じをすごく受けるアルバムです。

収録楽曲の幅も多彩で、それまでの安藤さんらしい曲もあれば、
ちょっと雰囲気の違う曲も結構あります。

「TEXAS」のイントロは何度聞いても素敵です。インストで聞くとより顕著かも。



〈セルフライナー(word by 安藤裕子)〉

自分でも去年はペースを上げすぎたなって思うんですけど、
だからこそ、今までよりも攻撃的なロックのにおいがする、
非常にカラフルで、ポップス度合いも増した作品が出来たと思うんですよね。
バンド感が音に増えたなって思っていて。
今までの3年間を3人の小さいチームでやってきて、
そこにだんだん仲間が出来てきて、
ストーリーを奏でるミュージシャンの顔が表に出てくるようになったなって。
もともとは、安藤裕子個人の思い出話なんですけど、
一緒に演じてくれる人が舞台にいっぱい上がってきてくれてるなって感じますね。
自分で歌っているときは気づかなかったんですよね。
取材で話を聞いてくださる方から、
「12曲中10曲で「笑って」ってはいってますよね?」って聞かれて。
たぶん、笑いたかったんですよ(笑)。
もっと前に進みたいっていう気持ちがあるんですかね?
この3年は、吸収することが嫌いだったんですね。
吸収ではなく、今まで生きてきた28年間を吐き出すことに夢中だったんですよ。
今年は、吸収しながらも、同時に、かみ砕いて吐き出す年にしたいと思ってるんです。
ここまでを振り返ってみて、たどり着いた道のりは間違ってなかったと思える、
上等な作品になっているなって思いますね。


昔から何かを作り続けてないと落ち着かないタイプなんです。
だから前作のプロモーションをしている間も、
すでに次を作りたいと思ってました。
実際、作っていると気持ちの面では落ち着くんだけど、
その分エネルギーも消費するから、今は披露感がすごくて、
肉体的にはかなりヤバい(笑)。
でも、そのぶん、すごく勢いがあって
カラフルな作品を作ることが出来たんじゃないかと思います。
小さい頃にテレビで見てた「俺たちひょうきん族」のエンディングの雰囲気
山下達郎の「土曜日の恋人」やEPOの「ダウンタウン」といったシティポップの名曲が使用されていた)
が大好きなんです(笑)。
きらきらしてるんだけど、どこか懐かしかったり切ない感じもあって。
ああいう雰囲気を目指してたところもあるし、
聴いてくれる人に、そのあたりの感覚を感じてもらえたらすごく嬉しいですね。

わたしは「shabon songs」ってアルバムが実は凄く好きなんです。