安藤裕子が勧める本(4) ねじまき鳥クロニクル


今回は、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』。


ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)


今や日本を代表する作家の一人となった
村上春樹の初期の集大成ともいうべき
三部作による超長編作である。

村上春樹出世作となった『ノルウェイの森』や
直近の話題作『1Q84』に比べると、
多少物語の構成が複雑で表現の抽象度が高いため、
その辺りからの読者には、
多少とっつきづらいのではないかと思われる。

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

日本よりも海外での評価が高い理由も
その辺りにあるのやも。

先に述べたとおり本作は初期の集大成的作品なので
デビュー作である『風の歌を聴け』や『羊をめぐる冒険
辺りを読んでから本作を読むのが良いかも知れない。

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)


〈安藤さんからの言葉(word by 安藤裕子)〉
Q 「クロニクル」という言葉は
村上春樹さんの小説『ねじまき鳥クロニクル』を
連想するのですが……。

安藤 ええ、最近私も読み直しました。
10代のころに読んだときは、
主人公の「僕」はオジサンだったのに、
同い年になっていてビックリして(笑)。
と同時に、ただのファンタジックで
ドリーミーな妄想小説だと思っていたのが、
今の年齢で読み返すと現実的でリアリティがあって、
奥深い話だなと思いました。
村上春樹をまとめ買いして、
翻訳本まで読んでいます。
今更だけど、今一番逢いたい人です!