安藤裕子が勧める本(3) 女の一生


第3回目は、遠藤周作の『女の一生』。


女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)

女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)


熱心なキリスト教徒であった遠藤周作が、
隠れキリシタンの青年と普通の町娘の悲恋を
綴った作品である。

安藤さんの『六月十三日、強い雨』の元となった作品でもある。


chronicle.(DVD付)

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作中六月十三日というのは、
隠れキリシタンの一斉摘発があり
主人公が恋する青年が捕まる日である。

青年が捕まった日から、
主人公の苦難に満ちた人生が始まり
壮絶な最期に向かって行くわけであるが、
安藤さんはここから何を感じたのだろうか。


安藤裕子による感想〉

Q アルバムの1曲目「六月十三日、強い雨」は
「たとえ……」という安藤さんの声から始まる印象的な歌ですね。

安藤 これは遠藤周作さんの『女の一生
からインスピレーションを受けて作りました。
長崎のキリシタン弾圧が物語の背景で、
愛のためにすべてを捧げた女性キクの人生を綴った小説です。

Q どのような部分に惹かれたのですか?

安藤 キクは病気になって、
男にゴミのように捨てられるんです。
でも好きな人への想いは変わらない。
そのパワーに圧倒されたし、
女として誰かに出会えることに
幸福を感じて進む強さも感じました。
古風な生き方に憧れているんです。
現代って本当にいろんなことが氾濫している時代でしょう。
もう少し情報が少なかったころに生きた人たちのような、
純粋でまっすぐな人になりたいと思います。