安藤裕子と横溝正史
安藤さんが横溝正史好きなのは
非常に有名な話で、
公式ホームページにも
「人生通してリスペクトは横溝正史さん」
と記載されている。
横溝正史といえばもちろん作家なので、
その作品といえば小説になるのだが、
大方の人がそうであるように
安藤さんもきっかけは映像作品だったようである。
「横溝正史との出会いは、
テレビで観た『犬神家の一族』の映画ですね。
子供のころはホラーものが好きで。
でも主人公(石坂浩二扮する金田一耕助)の雰囲気しかり、
時代設定(昭和初期)の雰囲気しかり、
怖いものというより、
ちょっと古めかしいものが好きだったんでしょうけど。」
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金田一シリーズでやはり有名なのは
『犬神家の一族』と『八つ墓村』であろうが、
個人的にもっとも好きなのは、
市川崑監督の『悪魔の手毬歌』である。
全編に漂う懐かしくも物悲しい雰囲気がたまらない。
特にラストの金田一耕助(石坂浩二)と
磯川警部(若山富三郎)のやり取りがたまらない。
そして仁科明子の美しいこと。
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ちなみに安藤さんのフェイバリットは
『病院坂の首縊りの家』らしい。
嫌いではないが、自分はどちらかというと
小説版の方が好きである。
小説版は金田一耕助最後の事件にして
発生から解決まで20年を要した
一代記である。
シリーズ中最高級に入り組んだ人間関係が
紐解かれて行く様は恍惚的である。
映画版はその辺りがだいぶ
端折られてしまっているのが残念。
それでも十分面白いが。
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