安藤裕子『勘違い』ツアー 東京国際フォーラム



昨年、妊娠に伴う体調不良でツアー中途で中止された
アコースティックライブツアー以来、
アルバム『勘違い』を引っさげての久々のバンドツアー。

自分が安藤さんのライブに行くのは、四回目。
今回は、前から5列目以内のほぼ正面の席が取れたこともあり、
非常に楽しみにしていたが、
とても心配な出来事が起きてしまった。

以下に当日の様子は書くが、ライブ終盤で安藤さんの様子がおかしくなり、
おそらく予定外の終わり方となってしまった。
ライブ当日も、ライブ後も公式なコメントが一切出ていないので詳細は不明だが、
明日に控えた大阪公演も含めて、彼女の今後が非常に心配だ。

何事もないといいが。



17時20分
会場到着。
かえるくんキーホルダーを買おうと思って少し早めにいったつもりだったが、
グッズ売り場が閑散としており嫌な予感。
予感どおり、キーホルダーとピアスは完売。
ピアスは150セット限定となっていたからなんとなく予想していたが、
キーホルダーも売り切れとは少し意外。
しかも開場と同時にあっという間に売り切れたらしい。
そもそもピアスにしても、5000人規模の会場×2+ネット販売で150セット限定は厳しい。
単に需要を読み違えたか、ハンドメイドとのことなので生産が間に合わなかったか、
あるいは単体では赤字とか、そういった理由なら仕方ないが、
事務所の力の入れ具合の問題だとするととても心配。
(ちなみに、ライブ翌日の5月1日12時から開始されたネット販売も30分くらいで完売)


17時50分頃
入場。
客席は一階席は9割方埋まっていて、2階席は半分くらい。


18時10分頃
定刻(18時)に少し遅れてバンドメンバーが登場。
さらに少し遅れて安藤さん登場。
衣装は『鬼』のプロモで着ていたツートーンのワンピースに
すごく華やかな刺繍を施したものとパンツ。
髪型も『鬼』の髪型にワンピースの刺繍と同系統のアクセ。

この時の安藤さんの表情は忘れられない。
少し俯き加減で舞台袖から歩いてきた安藤さんは、
舞台真ん中手前くらいで顔をあげ、観客席を見たとたん、
まず、おそれ、驚きの類の表情を浮かべた。
そして次いで、喜び、安堵の表情をほんの一瞬見せた後、
最後は後悔、申し訳なさの類の表情で、泣いていた。

しかし、相変わらず歌が始まると別人のように表情が入り、
力強い歌声を聞かせてくれた。

ところが、最初の変調は、
割と最初の方の曲(エルロイだったかな)で少し歌詞が飛んだこと。

その後も中盤までに歌詞が飛ぶことが数回。
また、最初のMCでは、ライブ前に緊張を和らげようと
ハーブを染み込ませたタオルを口に当ててたら、
間違えて目に当たり、右目がひどいことになってわたわたしている、
との話があるも、見た感じ目が赤いとか腫れているとかはなかったようなので、
緊張していることの照れ隠しだったのかも。

それから気になったのは、
結構頻繁にお腹のあたりに手をやっていたこと。
緊張で胃が痛むのか、単に発声のためだったのかも知れないが、
もしやまた??との思いがよぎる。

そしていよいよおかしくなってきたのは、
問題の飛翔の二、三曲前あたり、
安藤さんの体がぐらっと、危ない揺れ方をした頃から
(安藤さんは歌唱中ゆらゆら体を揺らしますが、あれとは明らかに違う揺れ方。)

その後窮屈そうに歌いながら靴を脱ぎ捨てていた。
このあたりから、
見ていて体調がすごく悪いんじゃないかと感じがし始める。
でも、歌は(歌詞はときどき飛ぶものの)相変わらず力強いし、
よく分からないなという感じ。

なお、この辺りで歌われた「The Still Steel Down」は凄かった。
あのアウトロのアレンジは初めて聴いた気がする。
CD通りに歌うアーティストが多い日本においては
珍しいと思った。
(あのアレンジは少しU2を髣髴とさせる。)


そして問題の飛翔。
最初は割と普通に歌えていたが、
中盤に一回歌詞が飛び、その後必死に歌おうとするが、
すぐまた歌詞が出てこなくなり、マイクを持った手をだらりと下げて、
口だけで声に出さず歌っている感じに。

そしてアウトロの途中で床にマイクをおいて舞台袖に走り去ってしまう。

残されたバンドメンバーは意外と動揺はなく、
淡々と演奏を終えて、次の曲に備えている感じだったが、
数分しても安藤さんは戻らず、スタッフが一人現れ、
バンドメンバーに一人ずつ耳打ち、耳打ちされたメンバーは順に舞台袖に下がる。

この間観客には何の説明もなく、しばらく不穏な空気が漂っていたが、
やがてどこからともなくアンコール拍手が始まる。
その後、5分近く経った頃、
まず、スタッフの方が、床に置かれたマイクをテーブルに戻し、
それから、もっさんと安藤さんが現れ、
もっさんが地平線までのイントロを弾きはじめる。

安藤さんは泣き腫らした目で観客に頭を下げ、
歌を歌おうするが、やはり涙が込み上げてきて、歌に入れない。

もっさんがもう一度イントロを弾き、やっと歌い出すが、
やはりところどころ歌詞が飛び、涙も込み上げ、まともには歌えない。

それでも、なんとか歌い切ると、
なきじゃくりながら、何度か観客に頭を下げ舞台袖に下がる。

それを見届けたもっさんが、無言で舞台袖に下がると、
照明がつき、20時20分頃、公演終了のアナウンスが流れた。

結局最後まで観客に説明はなく、
もっさん以外のバンドメンバーにいたっては、姿も見せず。



01 輝しき日々
02 勘違い
03 エルロイ
04 み空
〜MC〜
05 のうぜんかつら
06 すずむし
07 あなたと私にできること
08 アフリカの夜
〜MC〜
09 松田の子守唄
10 Lost Child.
〜MC〜
11 新曲
〜MC〜
12 お誕生日の夜に
13 それから
14 The Still Steel Down
15 永すぎた日向で
16 飛翔
〜中断〜
17 地平線まで